売買契約を例にとると、売主は買主に対して財産権を移転する義務(債務)があり、買主は売主に対してその代金を支払う義務(債務)がある。よって売主と買主の双方がお互いに債務を負っている(債権を有している)ため、売買契約は双務契約であるといえる。その他、賃貸借、請負、有償の寄託、有償の委任、雇用なども双務契約である。片務契約とは当事者の一方だけが相手方に対して何らかの債務を負っている契約を言う。例えば贈与契約であれば、負担付贈与でない限り、贈与者は財産を相手方に与える義務を負うが、受贈者には何の義務もない。よって贈与契約は片務契約ということになる。この他にも、使用貸借、消費貸借、無償の寄託、無償の委任が片務契約の例である。諾成契約は、当事者の合意だけで、契約目的物の交付を必要とせず成立する契約。売買・賃貸借などのほとんどの契約。要物契約は、当事者の合意だけでなく目的物の交付とによって成立する契約。消費貸借・使用貸借・寄託のみがある。有償契約とは、契約の当事者が互いに対価的な支出を伴う契約。双務契約は有償契約であるが、片務契約でも有償契約のものがある。具体的には、利息付消費貸借契約は契約成立に貸主の貸付行為が必要なため、契約成立後は貸主は債務を負わないので片務契約であるが、対価として利息を得るので有償契約である。無償契約とは、契約の当事者が互いに対価的な支出を伴わない契約。片務契約のほとんどが無償契約である。要式契約とは、契約の成立に一定の方式を必要とする契約。財産行為における契約においては、契約自由の原則(具体的には契約の方式の自由)が強く妥当するので要式性が要求される契約は一定の場合に限定されることとなる。民法は保証人の意思を慎重かつ明確なものにするという観点から保証契約につき要式契約としている(保証契約については平成16年民法改正により 446条2項で要式契約とされることになった)。これに対し、身分行為においては当事者の慎重な考慮とその意思の明確化、さらに第三者に対する公示などが必要とされるので、そのほとんどが要式契約である(婚姻や養子縁組などは届出を要する典型的な要式契約である)。不要式契約とは、契約の成立に何らの方式をも必要としない契約。ほとんどの財産行為の契約は不要式契約である。一時的契約とは、一回の給付により契約内容が実現される契約である。通常の売買契約などがこれにあたる。継続的契約とは、一定期間にわたり給付が継続されることにより契約内容が実現される契約である。賃貸借契約や継続的売買契約などがこれにあたる。契約は当事者の申込みと承諾の合致によって成立し、これが基本的な契約の成立形態である。
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このほか変則的な契約の成立形態として交叉申込と意思実現がある。契約は、当事者間の申込みと承諾という二つの意思表示の合致によって成立する。例えば、売り手が買い手に対して「これを売ります」と言うのに対して買い手が「では、それを買います」と言えば両者の間で売買契約が成立する。日本法においてはこのように意思表示だけで契約が成立する諾成主義が原則である。これに対し、契約成立のためには一定の方式をふまなければならないという考え方ないし規範を要式主義という(例えば、保証契約は契約書がなければ成立しない、など)。民法には申込みと承諾に関する規定があるが、主に離れた場所にいる者同士が手紙などのタイムラグが生じる方法によって契約する場合を念頭に置いている。 *申込み(当事者の合致する意思表示のうち、先になされたもの)承諾期間の定めのある申込(521条)申込者が承諾の通知を受けるに相当な期間は撤回することが出来ない。通説は、隔地者間の承諾期間の定めのない申込みに対する承諾は、発信時に成立するとしている(526条1項)。交叉申込とは契約の当事者が偶然に相互に内容の合致する申込みをなすことをいい、この場合にも当事者間の意思表示の合致が認められるから契約が成立する。意思実現とは申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立することをいう(526条2項)。意思の実現ともいう。契約が有効に成立すると、当事者はこれに拘束され、契約を守る義務が生じる。契約により生じた債務を、債務者が任意に履行しない(債務不履行)ときは、債権者は、訴訟手続・強制執行手続を踏むことによって、債務者に対し強制的に債務の内容の実現を求めることができる(強制履行、現実的履行の強制)。また、債務不履行が発生した場合、債権者は、契約の解除をしたり、債務者に対し損害賠償請求をすることができる。債務不履行の内容としては、約束の期限までに品物を届けなかった(履行遅滞)、品物を壊してしまって債務を履行できなくなった(履行不能)、品物を引き渡したものの欠陥があった(不完全履行)の3類型が挙げられる。契約の当事者は、契約によって発生した債権を行使し、債務を履行する。民法などの規定と異なる契約をした場合でも、その規定が任意規定である限り、契約の内容が優先する。「契約は当事者間の法となる」といわれるゆえんである。契約はただの合意・約束とは違って、裁判を通じてその内容を強制的に実現することができる(強制執行などを参照)。また、契約に違反すれば、契約に規定された違反時の責任(違約金など)が生じるほか、民法上も債務不履行責任や、場合によっては不法行為責任を負うこともある。
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